1. なぜ「結び方」だけで安全性が変わるのか
靴紐は単に靴を留める道具ではありません。足と靴を「一体化」させる重要なパーツです。
好日山荘などの専門店も指摘するように、紐が緩んでいると靴の中で足が動き、以下のようなトラブルを招きます。
- 転倒リスク: 緩んだ紐を踏んでしまう、靴の中で足が滑ってバランスを崩す。
- 疲労・痛み: 無駄な力が入るため疲れやすく、摩擦による靴擦れやマメの原因にも。
- 下山時の爪トラブル: 足が前方へズレて爪が当たり、「ブラックトゥ」を引き起こす。
2. メーカー・専門家直伝!「ほどけない」結び方
「歩いているとすぐに解ける...」そんなストレスから解放される、プロ推奨のテクニックを紹介します。
モンベル推奨:二重蝶結び(ダブル・ボウノット)
通常の蝶々結びにもう一手間加えるだけですが、効果は絶大です。
- 普通に一回結ぶ(交差させる)。
- 輪っかを2つ作る際、一方の輪にもう一方の輪を「2回」巻きつける。
- 強く引き締める。
この「2回巻き」が強力な摩擦を生み、長時間歩いても緩みにくくなります。石井スポーツやYAMA HACKでも推奨されている、登山の定番テクニックです。
AOKIも推奨:ベルルッティ結び
「紳士靴の結び方」として有名ですが、実は登山靴の太い紐とも相性が抜群です。
二重蝶結びと似ていますが、「最初の結び目」も2回巻き、「蝶結び」も2回巻くのが特徴です。
- 最初の交差を2回巻いてギュッと締める。
- 蝶々結びを作る際も、輪の中に2回巻きつける。
結び目が美しくまとまる上に、摩擦力が最強クラス。絶対にほどきたくない急登や、岩場での使用におすすめです。
サロモン:クイックレースシステム
そもそも「結ばない」という選択肢もあります。
サロモンの靴に採用されている「クイックレース」は、細いコードをストッパーで引くだけ。
ワンタッチで調整でき、手袋をしたままでも操作可能。余った紐はポケットに収納できるので、引っ掛けるリスクもありません。
3. 登りと下りで変える?プロの調整テクニック
「山と溪谷オンライン」などの専門メディアでは、シーンに合わせた締め分けが推奨されています。
📈 登りのとき
足首周りは少し緩めに。
足首の可動域を広げることで、足を上げやすくし、ふくらはぎの疲労を軽減します。
甲の部分はしっかり締めてフィット感をキープしましょう。
📉 下りのとき
全体をガッチリ締める!
特に足首(くるぶし付近)を強く締め直し、足が靴の前方へ滑るのを防ぎます。
これが爪の保護と膝への負担軽減に直結します。
まとめ:足元の不安を解消して絶景へ
正しい靴紐の結び方は、最もコストのかからない「装備のアップグレード」です。
* 基本は「二重蝶結び」で緩み防止
* 登りは足首ゆったり、下りはガッチリ
* 痛みが出るなら「窓あけ」などの部分調整
これらを意識するだけで、登山の快適性は驚くほど変わります。次回の山行でぜひ試してみてください。