完成された定番:価格が落ち着いた「成熟期」の魅力
2026年現在、アウトドア市場は超軽量トレランシューズと重厚なアルパインブーツに二極化しています。その中道を行く『Mercury IV Mid GTX』は、日帰りハイクや街履きも視野に入れた「迷える中道派」への最適な回答です。
発売から数年が経過した本モデルは、設計ミスが洗い出された成熟期にあります。かつては2万円台後半でしたが、現在の実勢価格は¥22,980前後まで落ち着きました。インフレで新作が4万円を超える中、この価格でスイスブランドのゴアテックス靴が手に入るのは、まさに「バグ」とも言える状況です。
製品仕様・スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | Mercury IV Mid GTX Men |
| 重量 | 約 480g (UK 8.5) |
| アッパー素材 | Terracare® Leather (サステナブルレザー) |
| 防水透湿メンブレン | GORE-TEX Performance Comfort |
| アウトソール | Vibram® Frog Grip |
| 実勢価格 (2026.01) | ¥22,980 (税込参考) |
レザーなのに軽い:テラケアレザーと3D Memo Foamの恩恵
この靴の本質は、レザーの質感を持ちながらスニーカーのように履ける点にあります。ドイツ製の『Terracare® Leather』は驚くほど柔らかく、登山靴特有の「慣らし」がほぼ不要です。内蔵された『3D Memo Foam』が足の形状を記憶するため、店で履いた瞬間から足に馴染む感覚を得られます。
ソールにはカエルの足裏に着想を得た『Vibram® Frog Grip』を採用し、濡れた木道や土の上で優秀なグリップを発揮します。ガチガチの登山靴ではないからこそ、街履きや旅行、雨の日の通勤でも快適に使用できる汎用性が魅力です。
致命的な弱点:くるぶしの干渉とナローフィットの罠
しかし、本モデルには無視できない「相性問題」があります。特に報告が多いのが「くるぶしが痛い」という声です。靴紐を引っ掛けるフック周りの硬質なパーツが、人によってはくるぶしの骨に干渉するため、事前の試着は必須です。
また、マムート伝統の「ヨーロピアン・ナローフィット」は、幅広(3E以上)の足を持つ日本人ユーザーには鬼門となります。サイズアップで対応しようとするとつま先が余りすぎて歩行バランスが崩れるため、この靴は履く人の足型を残酷なまでに選びます。
耐久性のリアル:軽さの代償としての消耗品的な側面
480gという軽さを実現するため、耐久性にはしわ寄せが来ています。特につま先のランドラバーや、屈曲部のメッシュ素材は岩場でのハードユースには向きません。10年履き続けるような重登山靴とは異なり、ランニングシューズに近い「履き潰す消耗品」として割り切れるかが評価の分かれ目となります。
ライバル比較:Salomon、Sportivaとの立ち位置の違い
Salomonの『X Ultra』がメカニカルなトレラン志向、Sportivaの『TX』シリーズが岩場特化のグリップ志向であるのに対し、Mercury IVは「革靴のような顔をしたハイテクスニーカー」という絶妙な位置にいます。アースカラーを選べばフェスから雨の日の犬の散歩まで、マムートのデザイン性が光るマルチユースが可能です。
最終結論:Mercury IVを今すぐ確保すべき人
2026年現在、Mercury IV Mid GTXは性能と価格のバランスが極めて高い水準にあります。在庫が掃けて次期モデルへと切り替わる前に、以下の条件に合うなら確保を推奨します。
- 買うべき人: 足幅が標準〜細身、整備された登山道がメイン、普段履きやフェスも兼ねたい見た目重視派。
- やめておくべき人: 幅広足(3E〜4E)、北アルプスの岩稜帯がメイン、一生モノの登山靴を探している人。
山での違和感は激痛に変わります。店頭で足を入れてみて、包み込まれるような感覚を得られたなら、それはあなたの最良の相棒になるはずです。