登山靴の歴史を変えた:TARGHEE IVの接着剤不使用技術
登山中、最も恐ろしい地味なトラブル——それが「ソール剥がれ」です。この「加水分解による自壊」という時限爆弾に対し、KEEN(キーン)は「接着剤を使わなければ、剥がれるわけがない」という物理的な解決策を提示しました。
2024年に発売された『TARGHEE IV』に採用された「KEEN.FUSION」技術は、アッパーとソールを熱と圧力で一体化させます。物理的に「一つの物体」となった靴は、剥がれることがありません。発売から2年が経過した2026年現在も、ソール剥離の報告は皆無に等しく、メーカーが「剥がれないことの永久保証」を掲げるのも納得の実績です。
主要モデル別 製品仕様スペック
| 項目 | TARGHEE IV (主力) | APEX (新作) | PYRENEES (定番) |
|---|---|---|---|
| コンセプト | 高耐久・サステナブル | Fast & Light (軽量) | クラシックスタイル |
| 製法 | KEEN.FUSION (融着) | ハイブリッド融着 | 伝統的製法 (接着) |
| 参考価格(税込) | 2万円台中盤 | 2万円台後半(想定) | ¥25,300 前後 |
| サイズ感 | 幅広(オリジナル) | 幅広(オリジナル) | タイト(0.5〜1cmUP推奨) |
2026年1月解禁:走れるターギー「APEX」の実力
2026年1月16日にリリースされた最新作『TARGHEE APEX(ターギー エイペックス)』は、TARGHEE IVの「剥がれない安心感」はそのままに、素材を根本から見直して大幅な軽量化に成功しました。
アッパーに高強度のエンジニアードメッシュを多用することで、トレイルを軽快に駆け抜ける「走れる戦車」のような性能を実現しています。「TARGHEEの幅広な足入れは最高だが、重さが気になる」と感じていた層や、ウルトラライト(UL)志向のハイカーにとって、理想的なハイブリッドシューズとなっています。
それでも「ピレニーズ」が選ばれ続ける理由
最新技術の塊であるTARGHEE兄弟に対し、ロングセラーの『PYRENEES(ピレニーズ)』は独自の地位を築いています。最新の融着技術こそありませんが、圧倒的な「顔の良さ」とレザーを育てる楽しみは他に変えられません。
撥水ヌバックレザーは履き込むほどに足に馴染み、傷さえも味になる。街履きでもフェスでも浮かないクラシカルなデザインは、2026年現在も熱烈な支持を集めています。ただし、旧来のソールユニットのため、濡れた路面でのグリップは最新モデルに一歩譲ります。低山ハイクやキャンプ、旅の相棒として輝く一足です。
モデルごとに違う「正解サイズ」の選び方
KEENといえば「幅広で楽」なイメージですが、モデルによってサイズ選びの正解が異なります。
- TARGHEE IV / APEX:
扇状に広がる「オリジナルフィット」を採用。普段のスニーカーサイズ、または厚手ソックス想定で**+0.5cm**が安全圏です。 - PYRENEES:
見た目に反して内部はタイトです。レザーに硬さがあるため、遊びが少ないのが特徴。**最低でも+0.5cm、厚手ソックスなら+1.0cm**を選ぶのが鉄則。ジャストサイズでは下山時に爪を痛める原因になります。
2万円台は高いか安いか? 2026年の市場価値
2026年現在、欧州ブランドの登山靴が4万円〜6万円台に跳ね上がる中、機能的に完成されたKEENが2万円台で手に入るのは、驚異的なコストパフォーマンスです。「安物」ではなく、インフレ下の登山ギア市場において、ハイカーの味方であり続ける「良心的な価格帯の最後の砦」と言えるでしょう。
結論:あなたのスタイルに合うKEENはどれか
最後に、あなたの迷いを断ち切りましょう。
- 絶対に壊れない安心が欲しいなら: 『TARGHEE IV』
加水分解の恐怖から解放されたい実用主義者に。 - 軽快さと防御力を両立したいなら: 『TARGHEE APEX』
ファストハイクやULスタイルを目指す現代的なハイカーに。 - スタイルと経年変化を愛するなら: 『PYRENEES』
山も街も一足で済ませ、道具への愛着を重視するロマン派に。